糖尿病患者の口腔健康管理 はじめの一歩・3
お口を見て気づくこと—医療連携で行う禁煙支援
髙野 直久
1,2
1(公社)日本歯科医師会
2髙野歯科医院
pp.254-256
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200636
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ファーストインプレッション
街に出ていて,人とすれ違う場面などでさえも,ほとんどの人は,無意識にぼんやりと全体を見ていると思います.人と対面する場面では,やっと顔の部分に視界が限定されてきます.また,「目は口ほどにものを言う」といわれますが,会話をする時などには,相手の目を見て話すことになります.診療においてはどこを見ているでしょうか? やはり,机の上にある医療情報端末の画面を見ていない時には,少なくとも患者のお顔を見ているのではないでしょうか.顔色の悪さから,栄養状態や睡眠状態,消耗性の変化を見てとることは,かかりつけ医にとっては,何の注意を払わずに情報をインプットすることでしょう.一般医科の診療でお口に注目することは,風邪をひいて咳き込む人や喉が腫れ上がり発熱と疼痛を訴える場合など,限られた状況下でしかないように思われます.少なくとも歯科診療の場合に比べ圧倒的に,口の中に限らず,表面の口唇を含めたお口の周囲さえも気にとめることは,まずないでしょう.
しかし,パッと見てお口からすぐに気づくことがあります.
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