徹底分析シリーズ 術前禁煙ができない患者へのアプローチ
術前に禁煙外来でできる治療とは—保険診療の仕組みを知ってうまく活かす
飯田 真美
1
Mami IIDA
1
1岐阜県総合医療センター 内科・総合診療科
pp.682-686
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202974
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ニコチン依存症が治療の対象となる病気と認識され,ニコチン依存症と診断された禁煙希望者に対して保険診療による一定期間の禁煙治療が行われている。ニコチンには精神依存性だけでなく身体依存性があることも明らかになっており,禁煙の困難性はヘロインやコカインと同等である。そのため,禁煙の必要性が通常よりもかなり高まっている周術期にもかかわらず,禁煙をスタートできない人に対しても,身体依存に対する薬物治療と,精神依存に対する行動療法を多職種(医師と看護師)で行う禁煙外来治療の効果は高く,禁煙外来を担当する筆者の経験上,ほとんどの場合,手術に向けて禁煙のスタートができる。まずは,手術までに禁煙をスタートすること,周術期の禁煙を継続することを目標として指導を行うことが重要であり,禁煙外来における効果的な支援について示したい。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.