徹底分析シリーズ 術前禁煙ができない患者へのアプローチ
周術期禁煙の経済効果—敵は己の中にあり
大畑 めぐみ
1
Megumi OHATA
1
1東京医科歯科大学病院 麻酔蘇生ペインクリニック科
pp.668-670
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202971
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日本で保険診療として禁煙外来が開始されたのは2006年だが,あくまでも本人の希望にもとづいて行われる診療であって,周術期に特化したものではない。周術期の禁煙が術後合併症予防に有効であることを麻酔科医が認識していても,禁煙指導や禁煙外来への紹介をしたところで,報酬にも評価にもつながらず,患者も望んでいないことに時間と労力を割くほうがよほど非経済的なのが実情である。日本で禁煙政策が進まない社会的背景を認識しなければ,効率的なシステムを構築し経済効果を生み出すことは不可能である。
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