症例ライブラリー 脊髄幹麻酔で困ること
頸髄損傷かつ挿管困難のある患者の膀胱出血の止血術
灰谷 あずさ
1
,
岩川 力
1
Azusa HAITANI
1
,
Tsutomu IWAKAWA
1
1東北労災病院 麻酔科
キーワード:
高位脊髄損傷患者
,
自律神経反射亢進
,
autonomic hyperreflexia
,
AH
,
麻酔効果判定
Keyword:
高位脊髄損傷患者
,
自律神経反射亢進
,
autonomic hyperreflexia
,
AH
,
麻酔効果判定
pp.14-17
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202790
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■症例
63歳の男性。身長168cm,体重80kg。脊髄損傷のため四肢不全麻痺があり,尿管カテーテル挿入中。近医で尿管カテーテル交換時に出血し,その後に血尿増加,タンポナーデとなったため,当院に紹介され手術となる。
2年前に仕事中に転落し,C7/T1レベルの頸髄損傷と下顎骨骨折があり,頸椎後方固定術と下顎骨の観血的整復固定術が施行されている。
胸部X線写真,心電図,血液検査に異常所見なし。呼吸機能検査は実施されておらず,血液ガス検査では異常所見なし。頸椎後方固定術後のため頸椎の可動性はほぼなく,下顎骨の観血的整復固定術のため開口は1横指弱程度であった。
C7レベルでの不全麻痺があり,肘を伸ばしたまま上肢の挙上はできるが,握力は極度に低下している。自力での車椅子移乗が可能であった。T7〜T8レベルまでの感覚は触覚,温・冷覚ともに低下はしているが残存している。
さて,あなたならどうする?
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