徹底分析シリーズ はじめよう! 術後疼痛管理チーム—ウチのやり方
特定看護師主体型—特定看護師による術後を見据えた術前・術中・術後管理
山下 祐貴
1
YUKI YAMASHITA
1
1滋賀医科大学 麻酔学講座
pp.1004-1007
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202681
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
滋賀医科大学医学部附属病院(以下,当院)の術後疼痛管理チームShiga Acute Pain Service(SAPS)は,麻酔科医,特定看護師*,手術室看護師,薬剤師,臨床工学技士で構成されている。呼吸器外科,整形外科手術の患者を対象に,硬膜外鎮痛法,経静脈的患者自己調節鎮痛法(IV-PCA)を使用する手術後1日目から3日目に,毎日13時からSAPS回診を行っている。
当院の特徴は,麻酔科所属の特定看護師4名が,術前・術中・術後の周術期管理に深く関わり,特にSAPSの中心的役割を担っていることである。
SAPSの役割は,術後回復促進enhanced recovery after surgery(ERAS®)プログラムに示されているとおり,患者の苦痛を減らし,術後の早期栄養管理,早期離床・リハビリテーションを促し,入院期間の短縮と患者満足度を向上させることである。術後疼痛は,一般的には術後24時間が最も強く,その後徐々に減弱するが,一部が慢性術後痛chronic postsurgical pain(CPSP)となる場合もある。現在,CPSP予防の確立した方法は存在しないが,術後疼痛や術後悪心・嘔吐(PONV)などを適切に制御することで,CPSPへの移行を防ぐとされており,SAPSの重要な役割であると考えている1〜5)。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.