徹底分析シリーズ ペインクリニックの未来
慢性痛治療のターゲット—脊髄グリア細胞研究最前線
辻川 翔吾
1
Shogo TSUJIKAWA
1
1大阪公立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
pp.786-790
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202616
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2020年に国際疼痛学会International Association for the Study of Pain(IASP)により痛みの定義が「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する,あるいはそれに似た,感覚かつ情動の不快な体験」と改訂された。慢性痛については「3か月以上持続する,または通常の治癒期間を超えて持続する痛み」とされており,さまざまな分類方法があるが,機序にもとづく分類としては「神経障害性」,「侵害受容性」,「心理社会性」に分けられる。
本稿では,この分類の中で人類史上最悪の痛みともいわれている「神経障害性疼痛」と脊髄グリア細胞の関係に焦点を当て,これまで明らかになった分子細胞メカニズムを紹介する。
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