Japanese
English
特集 脊髄再生
慢性期グリア瘢痕の克服と細胞移植
Overcome the Gliosis and Cell Transplantation
鈴木 秀典
1
,
寒竹 司
1
Hidenori SUZUKI
1
,
Tsukasa KANCHIKU
1
1山口大学大学院医学系研究科整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Yamaguchi University Graduate School of Medicine
キーワード:
グリア瘢痕
,
glial scar
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
細胞移植
,
cell transplantation
Keyword:
グリア瘢痕
,
glial scar
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
細胞移植
,
cell transplantation
pp.571-578
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200899
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はじめに
いわゆる末梢神経は損傷が生じても少しずつは神経が再生する一方で,脳脊髄などの中枢神経はほとんど再生しない.そのため,脳外傷や脊髄損傷後などには重篤な神経麻痺が残存し,重い後遺症が残ることとなる.さまざまな原因が挙げられるが,慢性期の脊髄損傷が非可逆的な神経変性を生じ再生に排他的な脊髄環境が生じてしまう大きな要因が,本稿で述べるグリア瘢痕であるといわれている.本稿では,特に慢性期の脊髄損傷に焦点を当て,グリア瘢痕形成のメカニズムについて解説し,慢性期脊髄損傷治療におけるコンドロイチナーゼABC治療の重要性を述べる.最後に,慢性期頸髄損傷に対する治療の可能性として,コンドロイチナーゼABCと神経前駆細胞併用療法の結果について解説する.
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