徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(後編)
HFNOをどう活用するか—どんな場面でも安全な気道管理を行うために
木山 秀哉
1
Shuya KIYAMA
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.540-545
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202545
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今回の徹底分析シリーズを企画した鈴木昭広先生は「骨董鏡(Macintosh型喉頭鏡)」の名付け親で,ビデオ喉頭鏡の使用を強く推進してきたエヴァンジェリストである。東京慈恵会医科大学附属病院(以下,当院)でも気管挿管デバイスの第一選択はMcGRATHTM MACで,手術部に挿管困難の緊急コールが鳴り響くのをもう何年も聞いていない(耳が遠くなっただけかもしれないが)。MacintoshとMillerの二択だった40年前と比べたら,気道確保器具の進歩によって気管挿管を容易かつ安全に行える今は夢のような時代である。麻酔科専門医試験を受ける段階になっても挿管不能・換気不能(CICV)の修羅場で肝を冷やした経験がない麻酔科医もいるはずである。挿管や声門上器具による気道確保が容易になればなるほど,困難気道の恐ろしさが実感されなくなる。そして腕を磨いた麻酔科医の中には「オレの辞書に『Difficult Airway』という言葉はない」と豪語する者すら現れるだろう。
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