症例ライブラリー 術後の神経障害:下半身編
脊髄くも膜下麻酔でのTUR-Bt後の殿部痛と下肢痛
黒木 円花
1
,
山崎 広之
1
Madoka KUROKI
1
,
Hiroyuki YAMASAKI
1
1大阪公立大学大学院医学研究科 麻酔科学
キーワード:
一過性神経徴候
,
馬尾症候群
,
電撃痛
Keyword:
一過性神経徴候
,
馬尾症候群
,
電撃痛
pp.460-462
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202523
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90歳の男性。身長160cm,体重45kg。膀胱癌の診断で経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が予定された。術前の胸部単純X線写真に異常所見なし,腰部単純X線写真では腰椎の骨棘と第2腰椎(L2)の軽度の圧迫骨折を認めた。血液検査は凝固系も含めて問題なし。既往歴には高血圧,20年前に脳梗塞,10年前に頸椎椎間板ヘルニアに対し手術歴があった。その際の全身麻酔は特に問題なし。喫煙25本35年(60歳より禁煙),飲酒は機会飲酒のみ。内服薬はアスピリン,アムロジピンであった。脳梗塞後の影響で両手指のしびれが残存していた。手術1週間前にアスピリンを休薬したうえで,脊髄くも膜下麻酔を行うこととなった。
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