徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(前編)
気導道へようこそ—麻酔科医が絶対的優位性をもつスキルを磨け
鈴木 昭広
1
Akihiro SUZUKI
1
1自治医科大学附属病院 周術期センター
pp.400-403
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202508
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2年間にわたる臨床研修医生活を終えて4月から麻酔科専攻医を目指す皆さんは,これからどんな麻酔科医を目指していこうかと希望を胸に目をキラキラさせていることだろう。
すでに必修や選択で学んだとおり,麻酔科での経験は医師としての基本的な診療能力を育むうえで欠かせない。麻酔とは,予定されてはいるものの,劇的かつ急速な身体状況の変容を引き起こすため,平穏無事に管理を遂行するためには急変対応のための基本スキルが必要となる。①気道,②呼吸,③循環,④中枢神経系,⑤体温・環境管理,といった蘇生と生命維持に必須な五つを,筆者は「いのちのトリセツ」スキルと呼んでいる。さらに皆さんは麻酔を通じて,⑥医療・患者安全,⑦感染制御,⑧放射線防御についても日々実践し,これら「あんぜん,かんせん,ほうしゃせん」という医師のマナーを身に付けてきた。当然,麻酔に必要な要素として,⑨不動化,および,術中から術後にかけて,痛い寒い気持ち悪い,といった術後三悪に対する⑩疼痛・合併症管理も学んできた。これから皆さんは,この10本の柱をより太く大きく育てながら,その上にさまざまな麻酔関連の技術を積み上げていくことになる。
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