連載 生理検査のアーチファクト・31
—聴覚機能検査② 気導聴力検査—知識不足による影響
橘内 健一
1
1社会医療法人耳鼻咽喉科麻生病院
pp.74-75
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207869
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こんなアーチファクトを知っていますか?
図1aの右耳の気導聴力検査の結果は125〜8,000Hzまで全ての周波数で正常である.左耳の結果は125〜8,000Hzまで55〜65dBと聴力閾値レベルの上昇がみられ,聴力の程度は中等度の難聴である.マスキングノイズレベル(気導)は,右・左耳とも全ての周波数で0dBである.
図1bの右耳の気導聴力検査の結果は125〜8,000Hzまで全ての周波数で正常である.左耳の結果は125〜8,000Hzまで70〜110dBとスケールアウト(オージオメータの最大出力でも検査音の聴取ができない)で,聴力の程度は高度の難聴である.マスキングノイズレベル(気導)は,右耳は全ての周波数で0dB,左耳は40〜65dBである.図1a,bは同じ人のオージオグラムである.ではどちらが正しいのか.
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