Japanese
English
短報
言語自動症と大脳優位性
Speech Automatism and the Problem of Cerebral Dominance
兼本 浩祐
1
,
河合 逸雄
1
Kousuke Kanemoto
1
,
Itsuo Kawai
1
1国立療養所宇多野病院
1Utano National Hospital
pp.207-209
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902797
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
言語自動症は精神運動発作として以前は総括されてきた発作形態と深い関係を持つ症状であるが3,4,6),それを主題とした論文は多くはないい2,4,9〜11)。その中では,Koernerら9)が深部脳波を用いた研究を通して,最も積極的に言語自動症と右側発作起始の密接な関連を主張している。しかし,従来の研究においてはJanz6)が指摘しているようにSerafetinidesら11)の言語自動症の五つの類型の中に本質的に発作の一部である狭義の意味での言語自動症と反応性の言語自動症(発作が到来することに対する恐怖やもうろう状態から正常意識に戻る途上にみられる見当識再獲得のための質問など)とが区別されないままに言語自動症として一括されていることに着目した研究はない。従ってこの点をふまえて言語自動症の局在症状としての価値を再検討することには意味があるものと思われる。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.