症例カンファレンス
巨大縦隔腫瘍と心タンポナーデを合併した乳児
蜷川 純
1
,
奥山 克巳
2
,
齊藤 和智
3
,
青木 智史
4
,
宮津 光範
5
Katsumi OKUYAMA
2
,
Kazutomo SAITO
3
,
Satoshi AOKI
4
,
Mitsunori MIYAZU
5
1国立成育医療研究センター 手術・集中治療部
2静岡県立こども病院 麻酔科
3東北大学大学院医学系研究科 麻酔科学・周術期医学分野
4あいち小児保健医療総合センター 麻酔科/集中治療科
5あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
pp.601-617
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202277
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「小児前縦隔腫瘍」。小児麻酔に専従したことがある麻酔科医ならば思わず身構えてしまうだろう。聞いた瞬間,腫瘍の大きさは? 気管や大血管の圧排は? 症状は? 呼吸状態は? 上大静脈(SVC)症候群は? 仰臥位で寝られる? 全身麻酔かけても大丈夫? 挿管できそう? 気道緊急にならない? そもそも全身麻酔は必要? 局所麻酔で何とかならない?...などなど,不安が次々と頭を駆け巡るはずだ。
小児専門施設や大学病院以外で小児前縦隔腫瘍手術の全身麻酔症例に出会うことは少ないかもしれないが,気道症状を主訴として一般病院外来を初診で訪れる場合もある。今後,万が一にもその言葉を耳にした場合に備え,小児前縦隔腫瘍ではどのような展開を予想せねばならないか,どのような点に留意するべきか,などを考えながら疑似体験していただきたい。
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