徹底分析シリーズ カテーテルアブレーションの麻酔
麻酔・鎮静の実際—アウェイをホームにして,トラブルに対処する
稲垣 泰好
1,2
Yasuyoshi INAGAKI
1,2
1環状通東整形外科
2元 名寄市立病院 麻酔科
pp.164-168
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202180
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カテーテルアブレーションの麻酔は麻酔科医が管理するという前提であれば,気管挿管による全身麻酔が最も容易である。声門上器具(SGD)を用いた全身麻酔は,導入・抜管が容易というメリットはあるが,3時間以上の手術が多いこと,痛みに対してレミフェンタニルを使いにくいこと,換気様式の変更が難しいといったデメリットがある。特に体動を起こさないという術者側の希望を考慮すると気管挿管での全身麻酔が安全で容易である。SGDによる麻酔管理は,心房粗動に対して下大静脈三尖弁峡部(CTI)焼灼やWolff-Parkinson-White(WPW)症候群のKent束焼灼といった,短時間で終了する治療を行う限定された場面で有用である。
本稿では,最も症例数も多く一般的に行われている心房細動(AF)に対する高周波アブレーションの麻酔を中心に述べる。
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