特集 「問題ある」とされるナース対策
トラブルナースをどう診・対処するか
小池 秀子
1
1筑波大学附属病院
pp.2-8
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
トラブルナースをどう診・対処するか
今私たちにとって,看護婦集団のトラブルをコントロールする力をつけることが重要な課題である.この力なしでは看護界内外のトラブルを解決し得ない.解決されないトラブルは看護婦の多大なエネルギーを消費し,新たな問題を生み出していく.私達の力は,このようなことのために分散させることなく,患者のために役立たせたい.
看護婦は,ケアを必要とする患者と家族に適切な方法でケアを提供するという目標を持って働いている.そのために良い看護婦になり,看護能力を発揮することのできるチームワークを作り,保ちたいと考え行動している.しかし私たちはみんなで決め,同じことを言い,行動し,摩擦を避けようとする傾向がある.そのためこの基準からはずれた人を,協調性に欠ける人,勝手に行動してしまう人,自己主張をするトラブルナースとしてとらえ,嫌い,批判し,はじき出そうとする.表面だけを取り繕うような関係を保とうとすることもある.これらのことがケアの質を向上させるための変化を妨げ,看護婦自身の進歩や成長,仕事に対する満足感を阻害していることもある.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.