症例カンファレンス
声門部浮腫を有する幼児への気管切開
菅原 亜美
1
,
佐古 澄子
1
,
笹川 智貴
1
,
簑島 梨恵
2
,
西部 伸一
2
,
蜷川 純
3
,
原村 陽子
4
Rie MINOSHIMA
2
,
Shinichi NISHIBE
2
,
Jun NINAGAWA
3
,
Yoko HARAMURA
4
1旭川医科大学病院 麻酔科蘇生科
2東京都立小児総合医療センター 麻酔科
3国立成育医療研究センター 手術・集中治療部 麻酔科
4東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.1147-1165
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202127
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cannot ventilate cannot intubate(CVCI)となり得る重篤な上気道狭窄は患者の命に直結するため,麻酔科医にとって恐怖を感じる病態である。
成人の場合は十分な事前準備をしたうえでdifficult airway management(DAM)アルゴリズムに従い,意識下挿管を考慮したり多彩な気道確保デバイスを使用したりすることで,そのリスクを回避できる見通しがつく。
しかし小児,特に乳幼児においてはどうだろうか。小児に特化した緊急気道アルゴリズムは少なく,緊急時の指針に乏しい。気道確保デバイスも限定的である。ひとたび換気困難となれば,すぐに低酸素血症となる。鎮静なしでの意識下挿管は難しい。
今回は,小児の対応に慣れた小児病院や,小児症例の数こそ多くないが幅広い症例を経験している大学病院から戦略を提示していただいた。もし自分だったらどう対応するか,実際に麻酔を計画・施行する気持ちで一緒に考えてみていただきたい。
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