発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008366075
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42歳男。急性心筋梗塞、肺炎にて1ヵ月間人工呼吸管理となり、抜管後、徐々に呼吸困難が出現した、気管支鏡にて気管は喉頭出口から直径4mmに狭窄しており、検査中に呼吸停止となり緊急気管切開を施行した。その後、気管狭窄部が閉塞したため、Pearson法による手術を施行した。気管切開部からの術野挿管下に頸部U字切開し、甲状舌骨筋群を分け甲状輪状軟骨を露出した。気管切開部と喉頭の間の気管軟骨は完全に欠落しており、これを切除した。舌骨上授動にて喉頭授動を施行したが、気管切除範囲が長く、気管縦切部を残して吻合し、輪状軟骨アーチを切除し、気管を甲状軟骨輪状軟骨に3-0 PDS糸にて吻合した。手術後、麻酔覚醒と共に気管チューブを抜管した。反回神経麻痺は認めず発声可能であった。徐々に呼吸困難が出現し、吻合部末梢の気管縦切部が脆弱で同部で気管は縦に虚脱していたため、再挿管を施行した。気管チューブによる1週間の内固定で同部は堅牢性を得、抜管にても再虚脱はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008