徹底分析シリーズ 手術室の壁外へ:アウェイを戦う麻酔科調査兵団
MRI・カテーテル室での麻酔管理—そこがカテ室でも! MRI室でも!麻酔は必ずできる!
多賀 直行
1
Naoyuki TAGA
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児手術・集中治療部
pp.988-993
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202094
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インターベンショナルラジオロジーinterventional radiology(IVR)の発展普及に伴って,手術室外で治療的手技が行われる頻度は年々増加している。しかし,その術中管理にわれわれ麻酔科医が関与する機会は決して多くないと考えられる。その理由は,局所麻酔下に行い得る低侵襲性こそがIVR最大の利点とされているためである。
しかし,意識レベルの低下などの理由で治療中に協力を得られない患者では,術中の安静を保つために全身麻酔が必要とされる。また,科学技術の進歩はMRIなどのより高精細な診断画像の撮影を可能にしているが,診断価値のある画像を得るためには,やはり患者の協力が不可欠である。小児のIVRあるいはMRI撮影では,年齢にもよるが,患児の協力が得られず安静が保てないために,麻酔科医の関与を求められる機会が生じる。さらに近年では,患者の安全を確保するという観点から,合併症をもつ患者のIVRやMRI撮影時に麻酔科医の術中管理を求められることも増加している。
本稿では,心臓カテーテル検査およびMRI撮影時の麻酔について,その特殊性と注意点,対応策などについて述べる。
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