Proposal
手術室のB・G・M
佐久間 浩
1
1賛育会東海病院
pp.928-929
発行日 1963年12月10日
Published Date 1963/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202934
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長谷川は,臨婦産誌の本年5月号のあとがきで,病院のDoctor Callを始め一切のアナウンスに際し,先ず予報としてオルゴールを鳴らさせることにしたところが,院内に,なんとなく楽しいムードが,かもし出されるようになつた。こうした一寸した工夫が,病院全体に対し有形,無形のプラスをもたらしたことは争えぬところで,一応おすすめすると述べておられる。
昨年来,私も手術室にB・G・Mを試験的に実施しているので,ここに御報告しようと老える。B・G・Mとは,Back ground music,つまり背景音楽であるが,現在産業界で,能率向上のために役立っており,また歓米では,産院で,これを流しているところがあると聞いている。先年私は,フイラデルフイアの小児病院長,クープ博士の手術を見学したが,手術中クープ博士は,美しいメロディーを口ずさみながら手術をしておられるのを知った。それで私も手術室に試験的にB・G・Mを実施してみることにした。つまり手術室に,手術中美しい音楽を流したならば,それで患者の手術に対する不安感,恐怖感を軽減させ,疹痛の感じ方も緩.和させることが出来るのではあるま〜’か,また医師や看護婦も,落着いた,爽快な気分で,しかも能率的に仕事が出来るのではないだろうか,そういう効果をねらったのである。
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