特集 病院と事故
手術室—とくに麻酔による事故
山下 九三夫
1
1国立東京第一病院・麻酔科
pp.39-43
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203222
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はじめに
患者が手術台上あるいは手術後早期(通常3日以内)に死亡した場合,その原因が麻酔にあるのか,手術そのものに起因するかを決定することは往々にしてきわめてむずかしいことが多い。また手術後の死亡も,回復室において死亡した場合は,麻酔科が関与することが多いが,病棟に帰室した後は何時まで麻酔の影響によるのかも定めがたい。最近大学においてはほとんど麻酔学講座が新設され(46大学中36大学),麻酔科標榜医(現在まで1578名許可),麻酔指導医(102名,日本麻酔学会により認定)の制度もようやく軌道にのり,病院においてもかなりの数に麻酔科が設置されている一方,医療過誤の問題も次第に問題視されているので,その責任の帰趨もようやく明確化されなければならない段階にある。
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