明日の検査技師に望む
診察室から検査室へのメッセージ
田代 祐基
1,2
1熊本県医師会
2帯山中央病院
pp.118
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901396
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医師会検査センターの担当理事として,臨床検査業務の現場に接して以来20年近くにもなりますが,その間の臨床検査技術の進歩には目をみはるものがあり,マニュアル検査からコンピュータ制御によるオートアナライザーの自動化検診の普及,そして免疫学的診断,DNA診断から高血圧や糖尿病などの体質遺伝子診断の技術までイノベーションが行われてきました.しかし,残念なことにプライマリケアの現場では,それらの新技術を自由に駆使するには至らず,高度先進医療と一般診療レベルとの解離現象が始まっています.今後はプライマリケアの現場にも生涯研修として新しい検査に関する知識と技術革新が導入されなければなりません.地域医師会の共同利用施設である医師会検査センターを拠点として,関連大学の学際的な支援のもとに医師会,臨床検査技師会,試薬業界,特殊検査業界などが力を合わせて新技術の開発や教育普及に努力すれば,高齢化の進む開業医師の日常診療技術レベルを著しく高めることは確実でしょう.私どもが日ごろ,外来の患者さんを診ながら必要と思われる検査をオーダーし,そのデータが診察室にフィードバックされるまでの間にはいろいろな出来事があります.いささか一方的な検査室への注文ではありますが,担当の検査技師さんにメモを渡していたものを以下にまとめてみました.
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