こどものことをもっと知ろう 第28回
新生児蘇生2020
細野 茂春
1,2
Shigeharu HOSONO
1,2
1自治医科大学附属さいたま医療センター 周産期科新生児部門
2日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法委員会
pp.764-768
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202039
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助産師:今日は正期産でローリスクの帝王切開なので,新生児科医の分娩立ち会いはありません。蘇生が必要になったらA先生が対応してくださいね。
A医師:新生児蘇生の経験がないのですが,必要になるのはどのくらいですか?
助産師:正期産児でおよそ15%だそうです。
A医師:そんなに多いのですか?
助産師:85%の児は出生後30秒以内に自発呼吸が出現し,10%は皮膚乾燥と刺激などの蘇生の初期処置によって自発呼吸が出現するので,バッグバルブマスク換気以上の蘇生手技を必要とするのは残りの5%です。挿管を必要とするのは2%で胸骨圧迫は0.1%,人工呼吸と胸骨圧迫に加えてアドレナリンの投与を必要とするのはわずか0.05%だそうです。
A医師:それを聞いて少し安心しました。でも,よく知ってますね。
助産師:新生児蘇生法(NCPR)講習会を受けたばかりなので(コメント)。ただ私もNCPRでマネキンにバッグバルブマスク換気の練習をしましたが,実際の赤ちゃんには行ったことはないです……。
A医師:うーむ。それは心配だ。新生児蘇生について確認しておこう。
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