徹底分析シリーズ 小児麻酔科医でない人のための新生児麻酔
新生児の腸閉塞(腸閉鎖)—原因疾患はいろいろあるが,麻酔導入時のフルストマックへの対応と術中のボリューム管理が重要
上田 真美
1
,
奥谷 龍
1
Mami UEDA
1
,
Ryu OKUTANI
1
1地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 麻酔科
pp.950-955
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201773
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腸閉塞とは腸管の通過が何らかの原因により障害された状態である。生後すぐに腸閉塞をきたす疾患を表1に示す1)。近年では,胎児超音波検査により,出生前に診断される場合が増えている。大半の先天性消化管異常は何らかの腸閉塞を引き起こし,出生時または生後1〜2日までに哺乳困難・腹部膨満および嘔吐で発症する。
機械的閉塞のうち,腸閉鎖は,十二指腸,回腸,空腸の順に多く,狭窄は十二指腸に多い。そのほかに,腸回転異常症や胎便性イレウスなども腸閉塞の原因となる。
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