徹底分析シリーズ マイトラクリップ—経皮的僧帽弁接合不全修復システムに麻酔科医はどうかかわるか
MitraClipの術中循環動態の管理—機能的僧帽弁逆流を中心に
皆川 陽子
1
,
木村 素子
2
Yoko MINAKAWA
1
,
Motoko KIMURA
2
1倉敷中央病院 麻酔科(現:大阪市立総合医療センター 麻酔科)
2倉敷中央病院 麻酔科(現:心臓病センター榊原病院 麻酔科)
pp.546-552
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201676
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MitraClip®は,重症僧帽弁逆流mitral regurgitation(MR)に対する経カテーテル治療である。対象は「十分な内科治療を行っているにもかかわらず心不全症状を有する慢性高度僧帽弁逆流の患者で外科手術が困難かつ,MitraClipに適した解剖学的僧帽弁形態である患者」とされている。すなわち,変性による(一次性)僧帽弁逆流(degenerative MR,DMR)では,左室駆出率(LVEF)<30%,もしくは合併症のため外科手術が高リスクな患者,機能的(二次性)僧帽弁逆流(functional MR,FMR)では,血行再建の適応がなく,両心室ペーシングを含めた内科治療下に有症状で,①LVEF>30%で外科手術のリスクが高い,②LVEF<30%で左室補助デバイスや心移植の適応のない患者が適応である1)。手術侵襲は小さいものの,正確なMRの病態生理の理解にもとづいた術中循環管理が必要である。
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