徹底分析シリーズ 臨床で本当に使えるTEE—こころをどう読むのか
TEE合併症を起こさないために知っておきたい10のこと—いつか来る『まさか』に備えて
宮本 美希
1
,
太田 隆嗣
1
Miki MIYAMOTO
1
,
Takashi OTA
1
1湘南鎌倉総合病院 麻酔科
pp.58-63
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201560
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合併症は程度の差こそあれ,すべての医療行為において発生し得る。十分な説明と理解にもとづいた同意のもとにその手技が行われるとはいえ,一度“事故”が発生すれば,それは患者の身体のみならず,その患者家族あるいは当事者となった医療者の心にも大きな傷を遺す。
経食道心エコー(TEE)は,比較的安全な検査と考えられている一方で,少なからず侵襲を伴い,その合併症は軽微なものから重篤なものまで多様である。特に近年,心臓手術や経カテーテル的心臓手術の対象となるのは高齢かつ脆弱性の高い患者であり,TEEによる合併症も場合によっては致死的要因となり得る。だからこそ麻酔科医は危機管理に精通しておくことが重要である。
本稿では,TEEを扱ううえでの『まさか』に備えて知っておくべきポイントをまとめた。
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