徹底分析シリーズ 術後慢性痛への挑戦
疫学と発症メカニズム—意外と多い術後合併症!? 患者の術後QOL向上のために麻酔科医が知っておくべきこと
杉山 陽子
1
,
飯田 宏樹
2
Yoko SUGIYAMA
1
,
Hiroki IIDA
2
1岐阜大学大学院医学系研究科 周術期女性医師活躍支援講座(麻酔・疼痛制御学)
2岐阜大学大学院医学系研究科 麻酔・疼痛制御学
pp.756-760
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201166
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どの患者も手術を受ければ,当然その直後に(程度は違えど)創の痛みを経験する。多くは創部の回復とともに痛みも消えるが,一部の患者で手術部位の痛みが長く持続する。これを,術後慢性痛chronic post-surgical pain(CPSP)と呼ぶ。手術自体は成功して原疾患は治癒しても,痛みのために社会復帰が遅れたり,医療機関への受診が長期間必要になったりするため,術後慢性痛は現在,重要な健康問題ととらえられている。本稿では術後慢性痛の疫学と,現在考えられている発症メカニズムについて解説する。
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