徹底分析シリーズ 術前診察 基本の「き」
術前評価の共通指標ASA-PSを知る—“Back to basics”
津崎 晃一
1
Koichi TSUZAKI
1
1日本鋼管病院 こうかんクリニック
pp.434-437
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201103
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1941年,米国麻酔科医会American Society of Anesthetists, Inc.の求めに応じて考案された術前評価の指標,すなわちASA-Physical Status(ASA-PS)分類は,いくつかの歴史的変遷を経て現在に至っている。当初の目的は,術前患者の健康状態を簡単な指標として把握し,臨床麻酔における統計学的データの集積や比較に役立てることにあったが,周術期リスクの推定に応用されるとともに,最近では,いくつかの具体例を併記することで定義の曖昧さを是正しようとしている。ASA-PSは,術前情報さえあればその決定に特別な検査を要せず,周術期予後との密接な関連が認められることから,その基本骨格を維持したまま,過去データとの整合性を変化させることなく,今後とも利用され続けるだろう。
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