書評
『―シリーズ:臨床力up!Refresher Course 2―脊椎装具に強くなる!Basics & Tips』
清水 克時
1
1岐阜大学大学院・整形外科学
pp.124
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102599
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
先日,日本小児整形外科学会の中央研修会で初めて,ハンズオンセッションを開催しました.2つのセッションを開いたのですが,いずれも満員でした.1つはインプラントを使う手術手技,もう1つは先天股脱(DDH)の治療に用いるリーメンビューゲル(RB)のセッションでした.私がRBに触れるのは,じつに30年ぶりで,新しい発見がありました.まず,RBにはディーテールについて,たくさんの変種があることです.現在使われているRBを一堂に集めることによって,ヴァリエーションを相互に比較しながらRBを深く理解することができました.同時に,ハンズオンセッションの前のミニレクチャーで,RBの歴史を教えていただいたことも,変種の意味を理解するのに大変役に立ちました.先人が加えた改良を時間の軸で概観すると,現在の変種の意味がよく理解できます.
本書は私がRBのセッションで発見した2つの要素を兼ね備えています.脊椎装具について,いくつかのヴァリエーションを一堂に集め,しかも,コラムとして脊椎装具の歴史的背景が述べられています.できれば,初めから終わりまで通読していただきたい小さな本です.この本をテキストにした脊椎装具のハンズオンセッションを組めば,さらに効果が上がるでしょう.どこかの学会でこれを計画すれば,成功まちがいなしだと思います.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.