増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法
Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査
統合失調スペクトラム症及び他の精神病症群
統合失調症の精神症状に関する評価尺度—PANSS,BPRS,SANS,SAPS
中山 知彦
1
,
沼田 周助
1徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
陽性・陰性症状評価尺度
,
Positive and Negative Syndrome Scale
,
PANSS
,
簡易精神症状評価尺度
,
Brief Psychiatric Rating Scale
,
BPRS
,
陰性症状評価尺度
,
Scale for the Assessment of Negative Symptoms
,
SANS
,
陽性症状評価尺度
,
Scale for the Assessment of Positive Symptoms
,
SAPS
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
陽性・陰性症状評価尺度
,
Positive and Negative Syndrome Scale
,
PANSS
,
簡易精神症状評価尺度
,
Brief Psychiatric Rating Scale
,
BPRS
,
陰性症状評価尺度
,
Scale for the Assessment of Negative Symptoms
,
SANS
,
陽性症状評価尺度
,
Scale for the Assessment of Positive Symptoms
,
SAPS
pp.520-525
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207260
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はじめに
統合失調症は幻覚妄想などの陽性症状だけでなく,感情鈍麻や意欲減退といった陰性症状,認知機能障害など多彩な症状を呈する。急性期においては陽性症状が目立つため,陰性症状や認知機能障害が存在していても見落とされがちである。患者の精神症状をもれなく評価することは容易ではないが,評価尺度は患者の精神症状の重症度や改善の指標として有用である。現在,重症度評価や治療効果の判定には陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale:PANSS)が主に用いられている。本稿では,PANSSを中心に統合失調症の精神症状に関する評価尺度について解説する。
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