徹底分析シリーズ 術後認知機能障害
コラム:高齢者の脳波,せん妄時の脳波の特徴
髙木 俊輔
1,2
,
松浦 雅人
3
Syunsuke TAKAGI
1,2
,
Masato MATSUURA
3
1嬉野が丘サマリヤ人病院
2九州大学大学院医学研究院 精神病態医学
3田崎病院
pp.68-71
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201035
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脳波は,頭部に電極を装着して測定する(図1)。一つ一つの脳細胞の活動電位の総和ではなく,興奮性シナプス後電位excitatory postsynaptic potential(EPSP)と抑制性シナプス後電位inhibitory postsynaptic potential(IPSP)の総和が反映されているものであり,時々刻々と変化する脳の活動を直接に表現している1)。年齢に伴った脳の発達や老化によって脳活動が変化すると脳波も変化する。また,高齢になると増加する脳波波形や,高齢者に特有の脳波波形があり,高齢者の脳波所見は個人差が大きくなる。意識障害やその特殊な一型であるせん妄は脳活動が低下した状態であるが,その脳の活動性の低下を反映した脳波変化を示す2)。軽微なせん妄では繰り返し測定することで初めて変化が明らかになることもある。
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