特集 はじめての国際学会<後編>
発表だけじゃ,もったいない
近江 明文
1,2
Akibumi OMI
1,2
1東京医科大学八王子医療センター 麻酔科
2善仁会小山記念病院
pp.692-695
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200905
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オープニング・セレモニーから出席しよう
日程に余裕があれば,開催初日の式典から参加することをお勧めします。主催者サイドの意気込みや,いよいよこれから学会が始まるという参加者たちのワクワク感や高揚感が伝わります。
米国麻酔科学会(ASA)の開会式は9.11の起きた2001年頃から米国国歌斉唱で始まるようになりました(写真1)。会長の挨拶などの後,引き続いてオープニングレクチャーが行われます。2013年は世界患者安全フォーラムの会長Dr. Denhamが『Chasing Zero(ゼロへの挑戦):医療による傷害との戦いに勝利する』と題し,院内での患者の有害事象発生の回避,とりわけ予期せぬ死亡をゼロにするためのプロジェクトについて講演しました。2015年のASA開催地は軍港でもあるサンディエゴで,オープニングレクチャーの演者は“米国海軍の英雄”とされる退役軍人マイケル・アブラショフMichael Abrashoff大佐でした。彼は湾岸戦争時,艦長として強いリーダーシップで自艦を最強のチームに仕立て上げ,ペルシャ湾岸危機を先頭に立って乗り越えたことで高い評価を得た人物です。その時の変革に用いた手法をリーダーシップ論としてまとめ,現在は経営管理コンサルタントとして活躍しています。米国人の麻酔科医たちが,尊敬の眼差しで熱心に聴き入っている姿は,感動すら覚えるものでした。
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