徹底分析シリーズ 麻酔のリスクマネジメント
WHO『手術安全チェックリスト』の実践的活用法―中規模総合病院と大学病院に導入した経験から
近江 明文
1
,
寺井 由香子
1
,
野口 将
1
Akibumi OMI
1
,
Yukako TERAI
1
,
Masashi NOGUCHI
1
1東京医科大学八王子医療センター 麻酔科
pp.344-350
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102096
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世界保健機関(WHO)により2008年に公表された『手術安全チェックリスト(checklist:CL)』は,手術関連の合併症や死亡を減少させる目的で作成された。2010年の欧州麻酔科学会(ESA)で「WHO手術安全CLの積極的活用」などを含む『患者安全のためのヘルシンキ宣言』(メモ1)が採択されるのを目の当たりにした筆頭筆者は,帰国後,勤務先の厚生中央病院(16診療科,320床の中規模総合病院)でWHO推奨の手術安全CLを導入し,以後,アンケート結果や有害事象が明らかになるたびに改変を行った。その後,2012年4月に異動した東京医科大学八王子医療センター(33診療科,616床,救命救急センター併設)でも,説明会やロールプレイなどを施行し,約1か月でCLを導入することができた。
この規模と性格の異なる2施設へのCL導入経験をもとに,なぜCLなのか,CL導入で何が変わるのか,スムーズなCL導入の仕方,CLの具体的な活用法,などを示す。
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