はへほ調music scene
×××× × 交響曲第1番「HIROSHIMA」
耳なし 放1
pp.422-423
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200844
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東京は日本一早く桜の開花宣言が出て,ひと雨ごとに新芽が伸びる年度末である。啓蟄はとうに過ぎたが「けいちつ」と聞いて「経腟」を連想するのは産科麻酔オタクである。穴から這い出る虫だの,全開大の子宮口から引きずり出される子供だの,はたまた「芳香族」という名前とは裏腹に袋叩きの憂き目をみているベンゼンだの,世の中いろいろな所から,実にいろいろな物が出てくるというのに,第24回の原稿を書き上げたコラム子の頭からは,もう何も出てこないのである。
優に「百畳」はあるかと思われる大層ご立派な会議室にご丁寧にテレビカメラまで持ち込んで,叩けば濛々と埃の出そうなお偉方が参集して己の記憶力の悪さを自慢し合う,どこぞの「白状」委員会の不毛な議論のような文章を綴るのは,もう此処で止めにしたいところである。本連載を読んで,それまで敷居が高いと感じていた西洋古典音楽の世界に開眼した読者など,ただの一人もいないだろう。
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