music scene【新連載】
マーラー 交響曲第3番 ニ短調
膿淋大臣
pp.508-509
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200250
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春も立った2月の半ば,普段から憎からず思っている職場同僚(with XX染色体)から形ばかりの贈り物を貰った貴男,ひょっとして相手も自分のことを…などと甘い考えをゆめゆめ抱くことのないよう忠告しておこう(本稿筆者の実体験に基づく有難いお言葉である)。以前より女子達は「義理」でお菓子メーカーの売上増,ひいては日本経済の回復に貢献してきたのであるが,ここ最近は,2月恒例の国民的行事が遂に「義務」化されたと聞く。したがって,男子たる者,14日には堂々とチョコレートを受け取る「権利」があるわけで,万一何も貰えなかった気の毒な御仁がいるのであれば「基本的人権」の侵害として出る所に出ることを検討すべきだろう。
一方,「義務」で配給されたとも知らず,彼女の熱い気持ちに応えねばと,強い「義務」感を抱いている貴男,本当におめでたい限りである。何をお返しに贈ろうが筆者のあずかり知らぬことであるが,たとえ一粒数千円以上の高価な洋菓子などを選んでも,所詮彼女らの口に入った数時間後には,あわれ二酸化炭素と水に姿形を変え,一瞬のカプノグラムとして雲散霧消するか,あるいはハルンバッグ(←典型的な和製独英語である)の1滴になるばかりである。もし貴男が彼女の心を鷲掴みにしたいと真剣に考えるなら,銀座の高級店の前で似たような魂胆の男達と共に長蛇の列に並ぶのは金と時間の無駄である。金銭を費やして彼女の胃や膀胱を膨らますのではなく,もっと琴線に触れる贈り物を選ぼう。
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