徹底分析シリーズ 麻酔科医のプロフェッショナリズムを考える
臨床現場での学びかた—学ぶ機会は心がけ次第でそこここに
宮田 靖志
1
Yasushi MIYATA
1
1愛知医科大学 医学部地域医療教育学寄附講座・医学教育センター
pp.314-318
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200817
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医師の養成課程(医学教育モデル・コア・カリキュラムや臨床研修制度の到達目標)や生涯教育課程(日本医師会の生涯教育のカリキュラム)において,現在,プロフェッショナリズムは最も重要な学修目標とされている。このことは,医療現場を取り巻くさまざまな状況の変化によって,患者,社会の医師に対する態度や行動が変化したり,また,医師自身の態度や行動が変化したりしているためかもしれない。例えば,頻発する医療事故とそれに対する医師の不適切な対応などのために,患者,社会は医師に対する信頼を低下させている可能性がある。この医師はプロフェッショナルなのか?という不信感を患者がもったとしたら,患者は安心して自分の身をその医師に任せることはできず,患者に有益な医療は成り立たない。
個人個人の医師がプロフェッショナリズムを備え,また医師集団が全体としてプロフェッショナリズムを備え,それを患者,社会が理解することで,両者のよりよい関係が構築される。その信頼を得る責任がわれわれ医師にはある。その基盤となるのがプロフェッショナリズムへの理解である。
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