徹底分析シリーズ 気道管理の最先端
気道確保困難症に対する体外補助循環下の気道確保—それが必要な患者を見極めるのが重要
遠山 悟史
1,2
Satoshi TOYAMA
1,2
1国立成育医療研究センター 麻酔科
2元 東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
pp.616-621
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200605
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気道確保は麻酔管理の基本であると同時に危機的状態に遭遇し得る可能性の高い処置でもある。この,気道確保における危機的状態として最も典型的なのが,換気困難・挿管困難(CVCI)であろう。CVCIの多くは,声門より上部の解剖学的異常を原因とし,術前から予測されることもあるが,麻酔導入後に予期せずに遭遇することもあり,日本麻酔科学会により,気道確保のためのアルゴリズムが作られている1)。一方,声門より下部の気道に何らかの異常がある患者でも,通常の麻酔導入による気道確保がきわめて困難な場合がある。この場合,すでに術前から呼吸不全状態を示すことがほとんどで,気道確保に際して危機的状態に陥る可能性がきわめて高い。しかしながら,こうした症例への対処法,特に体外補助循環下の気道確保方法は確立されていない。
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