徹底分析シリーズ 気道管理の最先端
日本麻酔科学会(JSA)気道管理ガイドライン2014に準拠した麻酔導入時の筋弛緩薬の使用戦略—睡眠時無呼吸を中心に
磯野 史朗
1
,
石川 輝彦
1
Shiroh ISONO
1
,
Teruhiko ISHIKAWA
1
1千葉大学大学院医学研究院 麻酔科学
pp.610-615
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200604
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全身麻酔導入時の安全性向上を目指し,JSA気道管理ガイドライン2014(以下,ガイドライン)1,2) が日本麻酔科学会から発表された。このガイドラインでは,導入時のマスク換気困難と直視型喉頭鏡による気管挿管困難が同時に発生する可能性を予測する12項目の術前気道評価を提案している。その中には,典型的な閉塞性睡眠時無呼吸obstructive sleep apnea(OSA)の患者であれば該当する項目が多く含まれる(図1)。図1で色をつけたOSA関連7項目すべてを認めると,術前予測危険クラスは,最高のクラスⅤ,発生頻度は3.31%,オッズ比18.4であり,OSA患者の麻酔導入と気道管理をどのようにするのが安全かは,明らかに非常に重要なテーマである。ガイドラインでは,『酸素化を維持すること』が全身麻酔導入時の安全を確保するうえで最も重要であるとし,その目的達成のため,さまざまな提案がなされている。筋弛緩薬の適切な使用方法についても言及されている。
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