症例検討 硬膜外ができないときの術後鎮痛法
「硬膜外麻酔ができないとき」とは—社会環境の変化・周術期医療の変化を受けマルチモーダル鎮痛へ
畠山 登
1
Noboru HATAKEYAMA
1
1愛知医科大学病院 周術期集中治療部
pp.38-41
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200475
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
体幹部の術後鎮痛において,硬膜外麻酔がこれまでに果たしてきた役割は大きい。筆者自身も20年以上,この方法がベストと考えてきたし,またそのように実行してきた。そして現在も,硬膜外麻酔による鎮痛にプライドとこだわりのある施設も多いと思う。
硬膜外麻酔が体幹部の術後鎮痛効果において抜きん出ていることに疑いの余地はない。しかし近年,合併症の問題が過度にクローズアップされた結果,患者側からの拒否の意思が示されること,また血栓症予防のため術後早期からの抗凝固療法が施行される機会が増加したことなどで「硬膜外麻酔ができないとき」が増加している。このような硬膜外麻酔をとりまく最近の状況を踏まえ,良質な術後鎮痛提供の方法について考えてみたい。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.