けんさアラカルト
医療環境の変化と技師の将来
竹森 紘一
1
1九州大学病院検査部
pp.1312-1313
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203922
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男女雇用機会均等法成立にちなんで
第35回日本臨床衛生検査学会(岐阜市)において,「女性検査技師問題を共に語る夕べ」という題のイブニングカンファレンスがあった.この集会では,検査技師として働く女性の現状や認識だけでなく,女性技師ならびに男性技師の職業に対する自覚などについて4人のシンポジストから意見が述べられ,活発な討議が行われたが,はっきりとした結論は出なかった.そして,ある女性から「男女に関してそれぞれに注文や議論があるかもしれないが,結局,検査技師の業務制限がなされていないところに問題が存在するのではないか」というような意見が出され,私も同じような思いを持った.それとともに,これからは,男女を問わず検査技師という職業に対しての少しの甘えも許されない時代であることを痛感した.
男女雇用均等法が施行されるようになったとはいえ,法律どおりに女性の立場がすぐに改善されるわけではない.しかし,女性が半数以上を占める臨床検査技師の職種をみる限り,大病院の多くが国公立であるか,あるいは国公立に準ずるところがほとんどであるために,男女間における差は一般の企業でみられるほどに存在しないものと思われる.もし,不満足な面があるとするならば,小規模の検査室を有する民間の病院かもしれない.なぜならば,そのような病院では,多項目の検査ができる検査センターの利用の方がはるかに合理的に検査結果が得られるからである.
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