症例検討 困難な呼吸器手術を克服しよう
特発性肺線維症の肺癌―BestはわからないBetterな方法を考える
小野寺 悠
1
,
中根 正樹
1
,
川前 金幸
1
ONODERA,Yu
1
,
NAKANE,Masaki
1
,
KAWAMAE,Kaneyuki
1
1山形大学医学部附属病院 麻酔科・集中治療部
pp.694-699
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102175
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症例 65歳の男性。身長165cm,体重55kg。右肺上葉の扁平上皮癌の診断で開胸右上葉切除術が予定された。5年前から肺気腫と肺線維症が指摘されており,術前の検査では,一酸化炭素拡散能(DLCO)6.49mL/min/mmHg(%DLCO 44.1%)と低値を示した。スパイロメトリー上は%肺活量(%VC)85%,1秒率71%,動脈血液ガス分析はroom airで,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)35mmHg,動脈血酸素分圧(PaO2)82mmHg,pH 7.42であった。CT上で両肺に気腫性変化があるほか,両下肺野背側胸膜下にすりガラス陰影の広がりと気腫合併肺線維症の所見を認める。6分間歩行テストでは最低経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)88%,歩行距離は300mであった。また咳嗽があり,両下肺野に捻髪音を聴取する。術前のKL-6は659U/mLと高値だった。
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