症例検討 困難な呼吸器手術を克服しよう
両側巨大ブラ―術中だけでなく,術後の問題点も考慮しよう
倉橋 清泰
1
KURAHASHI,Kiyoyasu
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 集中治療部
pp.688-693
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102174
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症例 70歳の男性。身長168cm,体重51kg。右原発性肺癌の疑いに対して開胸右上葉切除術が予定された。下咽頭癌に対して咽喉頭・食道・甲状腺全摘術が5年前に行われており,その際,永久気管孔が作成された。肺気腫の既往があり,スパイロメトリーの結果,%肺活量は89%,1秒量は1.81L,1秒率は55%だった。CT上,右胸腔内のおよそ4割,左は7割以上がブラで占められている。動脈血液ガス分析では,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)37mmHg,動脈血酸素分圧(PaO2)71mmHg,pH 7.45であった。肺血流シンチグラフィの結果,肺血流量は右69%に対し左は31%だった。
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