レポート【投稿】
手術安全チェックリスト導入によるリスクマネジメント
長嶋 健
1
,
鈴木 ティベリュウ 浩志
1
,
中島 正之
1
,
宮崎 勝
1
1千葉大学大学院臓器制御外科,同附属病院手術部
キーワード:
手術
,
チェックリスト
,
安全管理
Keyword:
手術
,
チェックリスト
,
安全管理
pp.636-638
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102589
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要 旨 世界保健機構(WHO)が提唱した手術安全チェックリストを段階的に運用開始したので,その使用経験について院内での工夫や今後の問題点などを含めて報告する.麻酔導入前確認は,当院では主に患者入室時の項目とし,各手術室前に患者本人とともに外科医,病棟看護師,麻酔科医,手術室看護師が集合したうえで,患者誤認および手術部位誤認がないことを確認後に入室を許可する方式とした.執刀前確認は,手術チーム全員が一旦手を止め,患者氏名,手術部位,手術法,手術時間,予測出血量と輸血準備の有無を確認するとともに,全員が名前と役割について自己紹介を行った.退室前確認は,何らかの不足が判明した場合に対応できるよう,閉創開始前に実施した.手術安全チェックリストの使用は,外科医が本来苦手であった手術室内のコミュニケーションを補佐して手術安全を円滑に進めるツールとして,また手術スタッフ全員の安全に関する認識と情報共有のために有用であった.
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