連載 知識をいかに体系化するか
―意識の考察⑮―意識と言語と自問自答
諏訪 邦夫
1
1帝京短期大学
pp.284-285
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102083
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今回は「意識の考察」の最終回です。私たちが「他人にも意識がある」と認識するのは,言語を介するコミュニケーションがあって,他人も自分と同様に考えていると納得するからです。友人と会話し,誰かが書いたものを読んで,「ああ,この人は意識がある」と認識します。だからこそ,人間以外の動物の意識を認める場合でも,「人間の意識ほど明確でない,精細でない」と感じたり,推測したりすることが多いわけです。
しかし,意識における言語の役割は,他人とのコミュニケーション以外に,実は自問自答の要素が大きく,それは他人にはわからなくても自分にはわかります。今回は,その自問自答の部分を検討してみます。
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