徹底分析シリーズ open TCI:PK-PD学ぶなら今でしょ
術前持続投与や術中単回投与が行われた症例でのTCIのスマートな対処―形成される濃度曲線をイメージする
菅原 亜美
1
,
国沢 卓之
2
Ami SUGAWARA
1
,
Takayuki KUNISAWA
2
1旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座
2旭川医科大学病院 手術部
pp.1084-1091
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101968
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「TCIを利用して麻酔管理を行う。投与量は投与速度ではなく,目標血中濃度で調節する。」
なんとも現代的で,スマートだ。
「今,投与をやめると,覚醒までの所要時間は10分20秒です。」
初期研修医は目を輝かせ,学生は感動し,心地よい気分で麻酔管理を続けられる。ところが,
「心拍数が上昇したので,別のシリンジからプロポフォール2mLを3回単回投与しておいたからね…」
お昼交代をしてくれた指導医の気軽なコメントに,担当麻酔科医の顔色が一変する。
「現在の効果部位濃度は?」「覚醒までの時間は?」
このようなTCI以外の投与法が行われた,または行われてしまう症例に対して,TCIの有用性はなくなるのだろうか。また,障害が生じるのだろうか。
本稿では,このような状況での考え方と,これらの疑問が解決できるよう,具体的な例を挙げて解説する。
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