今月の臨床 抗癌剤
投与方法
13.超大量投与法・少量持続投与法
篠塚 孝男
1
,
藤井 明和
1
Takao Shinozuka
1
,
Akikazu Fujii
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.1198-1202
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901034
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進行卵巣癌の治療にCDDPや,それを主体とした多剤併用療法が導入された結果,その一次効果は以前に比べ著明に改善されたが,3年以後の長期予後についてみると,決して満足できるような成績は得られていない。さらに,初回治療後にも残存腫瘍のみられる症例や再発例に対しては,きわめて悲観的な成績しか得られていないのが現状である。これら進行癌や難治性癌に対する治療効果を上げる一つの方法として,その腫瘍に感受性のある薬剤のdose-upをはかることが考えられる。卵巣癌に対し最も有効な抗癌剤とされているCDDPやcarboplatin(CBDCA)は濃度依存性の薬剤であり,これらを用いた治療において,奏効率や生存期間とdose-intensityとの間に相関関係が認められることを報告した文献は多数みられる。これらの薬剤とともにcyclophosphamide(CPM)やetoposideなども投与量を一定期間内でいかに上げるかが治癒率の向上に結びつく重要なpointである。これら抗癌剤のdose-upに対し,dose—limiting factorとして立ちはだかる最大のものは骨髄機能障害である。
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