徹底分析シリーズ 腎臓を守れ!麻酔科医
周術期における腎機能悪化のメカニズムと危険因子―CKDに注意して術後AKIを防げ!
宮田 和人
1
,
内野 博之
1
Kazuto MIYATA
1
,
Hiroyuki UCHINO
1
1東京医科大学 麻酔科学講座
pp.956-960
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101939
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急性腎傷害acute kidney injury(AKI)とは,「急性の腎機能障害によって腎機能が破綻し,体液恒常性の維持ができなくなる状態」のことである。しかしながら,全身性炎症反応症候群systemic inflammatory response syndrome(SIRS)や急性呼吸促迫症候群acute respiratory distress syndrome(ARDS)のような明確な定義が今まで存在しなかった。最近になりRIFLE分類1)とAKIN分類2)が発表され,注目される病態となった。
AKI発症は一般社会ではまれであるが,周術期やICUに入室する重症患者などでは,比較的頻度の高い病態として知られている。また,ICU入室患者では,いったんAKIを発症すると,死亡率は50~60%3)と報告されており,AKIは予防,早期発見,治療が必要な,われわれ麻酔科医が注目すべき病態の一つである。
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