連載 ヒューストン留学記(その後):74
sushiと中華料理
石黒 達昌
pp.1249
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101691
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ヒューストンへ行くことが決まった時,アメリカ暮らしが長かった知人から,無理をしてでも一軒家を借りるべき,とアドバイスを受けました。曰く,屋外バーベキューの気持ちよさは絶対だ,と。確かに,見せてもらった写真の,広い庭での夕暮れの団欒は,アメリカならではのものでした。しかし,着後早々に一軒家を諦めたのは,金銭的なことばかりでもありませんでした。
庭つきの家には必ず芝生がついてきます。その芝の手入れが面倒,というのが最後の決め手だったのです。芝刈り機を使って自分でやるにしても,それをやってくれる人を雇うにしても,これからいろいろとセットアップしなくてはならないアメリカ生活をより困難なものにするように思えました。確かに前者を選べば気は楽ですが,酷い庭を晒せば近隣から苦情がくるほど,アメリカ人にとって芝生というのは特別な意味をもっているようなのです。さりとて,後者を選んだとしても,一体相場はいくらなのか,チップはどれくらいがよいか,間隔はどこまで空けることが許されるのか,渡米間もない日本人には高すぎるハードルでした。
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