徹底分析シリーズ 周術期の輸血療法
―周術期輸血の新しい考え方とその実際―Patient Blood Management―患者中心の輸血医療―
紀野 修一
1
Shuichi KINO
1
1旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部
pp.1150-1155
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101670
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同種血輸血の感染症に対する安全性は飛躍的に高まった。しかし,ABO血液型不適合輸血,TRALI(輸血関連急性肺障害),TACO(輸血関連循環過負荷),アナフィラキシー反応のように,生命を直接脅かす副作用は根絶されていない。
最近になって,輸血そのものが患者予後を悪化させるという報告が相次ぎ,同種血輸血を避ける周術期輸血戦略が脚光を浴びつつある。この戦略は,patient blood managementと呼ばれ,その普及が図られつつある。日本語では,その概念から「患者中心の輸血医療」と訳すことができる。本稿ではその概念と,周術期輸血の流れを説明する。
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