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外科とBlood Flowmeter
堀 原一
1
,
鰐淵 康彦
1
1東京大学医学部第2外科
pp.706-707
発行日 1967年5月20日
Published Date 1967/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204310
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元来,臓器血流量の測定はいろいろの工夫をこらして,間接的に行なわれていた.すなわち例をあげれば,心拍出量はFickの原理と色素稀釈法で,肝・腎血流量は,それぞれからほぼ選択的に排泄されるBSPやパラアミノ馬尿酸ソーダで,脳血流量はinertなガスである笑気でなどという類である.これらは,たとえ誤差が大きく方法が繁雑であるといつても,麻酔や外科手術を要せず,臨床検査としての意味は十分あるわけであるが,実験外科の領域ではもとより,臨床の患者においても,手術時などではむしろ直接に臓器血管を操作することができ,しかも誤差も少ないうえに連続反覆測定に耐えるし,結果は自動的に記録される,血管を切開しないですむし,一時的にも血流を遮断しないでもよいという,生理的な直接血流量測定法があればさらによい.そのうえ直接法でありながら,長期にわたつて測定を行なえるならば,申し分なく,実験ならびに臨床外科での価値は高い.
現在こういう能力を完全に満たす血流量の直接測定法はまだないとはいつても,それに近づきつつあるものとして,いろいろの原理をもつ流量計がある.この詳細についてはWetterer1)の綜説を参照されたいが,実際に最もよく用いられているのは電磁流量計とnon-cannula-ting probeといわれる電磁トランスデューサーの組合せである.
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