徹底分析シリーズ 周術期の輸血療法
巻頭言
清水 喜徳
1
1江東病院消化器センター 外科
pp.1149
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101669
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- 文献概要
本徹底分析は,外科医である筆者が麻酔科医に,術中の輸血についての私見と疑問をぶつけたことがきっかけで企画されたテーマである。
輸血という,日常の周術期管理のなかでしばしば遭遇する医療行為について,われわれはどこまで熟知しているであろうか。輸血の種類や準備方法,施行基準,タイミングなど,詳しくは知らないまま,何となく輸血を実施しているという方も多いのではないだろうか。
周術期の輸血医療で考慮すべき事項は,多方面にわたる。本徹底分析は,各方面のエキスパートの先生に,わかりやすく執筆いただいた。おかげで,これから麻酔学を極めんとする若き麻酔科医はもとより,すでに麻酔学を極められた専門医・指導医にとっても,読み応えのある内容になった。
まずは,患者中心の輸血医療の徹底,血液製剤や自己血の輸血の準備と対応,管理体制など,基礎から実践的な内容を一読していただきたい。さらに,輸血について十分理解していると自負する方には,妊産婦の輸血,血液製剤のコスト,危機的出血への対応ガイドラインの背景など,輸血医療全体への理解を深めていただきたい。
周術期の輸血療法には,外科医と麻酔科医の相互理解が欠かせない。本徹底分析が,その一助になれば幸いである。
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